最近のエロゲのイラストはラノベなどに比べて見劣りしている

と、「PUSH!! 2011年3月号」にてApRicoT原画家・TOMA氏が「えむっ娘シスターズ」のインタビュー記事にて語っていました。

Interviewer : 今作(えむっ娘シスターズ)ではこれまでのTOMAさんのイラストと雰囲気が異なるように感じました。イラストの着色など、わざと新しい手法を使ってらっしゃるのでしょうか?

TOMA : この企画を考え、色々なジャンルのイラストを研究しました。そのときに気が付いたのが、自分も含めて、この業界のイラストが古くなっていることです。衝撃を受けました。美少女ゲームと名が付いたときに、この業界は、かわいいイラスト、エロいイラストに関してはナンバー1でした。しかし、CGが誰にでも描けるものになってから、個性を発揮できるライトノベルや同人誌等のイラストに、いつの間にか追い抜かれていました。はっきりと見劣りしていると自分は感じています。それは全体の数字にも表れています。危機感を持って、それらの個性に負けないために、今回の原画彩色を、沢山の人に受け入れられる、突出した個性を持たせられないかと、がんばってみました。なんて、固い話をしていますが、誰よりもエロいイラストを描きたい。それだけなんですけどね(笑)。

最後に韜晦されてしまっているのですが、おそらくはかなりマジでこう感じていたのだと推察します。ただ、ごく普通のエロゲーマーとしては、「今のエロゲの絵がラノベや同人誌よりも劣る」と言われても、ぶっちゃけよく分からないというのが感想です。ここら辺についてはエロゲとラノベに造詣が深いクラスターからの反応が欲しいところであります。

ただ、絵が「主」であるエロゲに比べて、イラストが「従」であるラノベはその分制約が少ないので様々な挑戦的技巧を試しやすいのかな?とは思います。ましてや制約がほとんどない同人誌であればなおさら、ね。で、TOMA氏はこれらを踏まえて新作「えむっ娘シスターズ」の原画彩色を行ったとの事ですので、氏のイラストを比較すれば「これまでのエロゲ絵」から「これからのエロゲ絵」というおおよその方向性が分かるのではないかと思ったのでちょっと並べてみました。

シスタ×シスタ(2009年) えむっ娘シスターズ(2011年)

色々な意味でとっても比較しやすいイラストです(笑)。私はラノベに関しては門外漢なのでネット上の書影などを判断材料に述べるのですが、新作の「えむっ娘シスターズ」の彩色はラノベの表紙に見られるような「淡い」というか、「ソフト」というか、「ぽや〜ん」とした感じになっています。つまり、現在の美少女イラストの潮流はこういった「水彩画系(?)」な方に向かっているという事なのでしょうか?