エロゲのショップ特典の多寡と中古買取価格には関連がない

調べてみようと思った原点は以下の記事。

論調としてはこんな感じでしょうか。

ショップ特典の種類が多いエロゲがある

ショップ特典目当てに同じエロゲが大量に購入される

ショップ特典が目当ての人は同じエロゲを大量に持っていても仕方ないから大量に中古ショップに売る

よって、ショップ特典の多いエロゲは中古ショップで価格が暴落する

これが事実であれば、「ショップ特典の種類が多いエロゲほど、複数買いされやすくなり、中古価格が下がる」という事になります。これは本当なのか?ちょっと散布図を描いて調べてみました。

【データ元】

「何だこの手前味噌なデータは」と言われそうですがご了承下さい。この2つのデータを結合させた結果は以下のとおり。

x軸が「ショップ特典の種類」、y軸が「定価の何パーセントで買取していたか」になっています。そして赤い十字線はそれぞれの値の平均値を示しています。このグラフでは見事にデータがとっ散らかっていて、何らかの相関性があるようには見えないと思います。また、実際に単相関係数の値は「0.014」と、細かくいうと「非常に弱く関連している」、おおまかにいうと「関連してない」という結果が出てきました。つまり、

ショップ特典の種類が多いからといって中古価格が暴落する訳ではない

という事です。統計的には以上なのですが、おそらくこの結果に納得がいかない人もいると思います。「何となく自分の印象と違う」という感じで。それについて私はこう考えます。まずは散布図の赤い十字線で区切られた右下を見てください。このエリアには「ショップ特典の種類が平均より多く、かつ中古買取価格の割合が平均より低いエロゲ」がプロットされています。そして逆に右上には「ショップ特典の種類が平均より多く、かつ中古買取価格の割合が平均より高いエロゲ」がプロットされています。そしてこの2つの領域に存在するエロゲの本数は下記のようになります。

ショップ特典(多)、中古価格(安):ショップ特典(多)、中古価格(高) = 30:17 ≒ 3:2

要するに、「ショップ特典が平均より多いエロゲは3/5の確率で、中古価格が平均より安くなってしまう」訳です。そしてこれが統計的結果と印象が食い違う原因ではないかと睨んでいます。すなわち、ショップ特典の種類が多いエロゲは、5本に3本の割合で平均中古価格より安くなってしまうので、「ショップ特典が多いエロゲ → 中古価格が暴落する」という印象を持ってしまうのではないでしょうか。それに加えて、ショップ特典が多いエロゲというのは得てして、盛んに宣伝(雑誌、ショップ店頭等)されるものなので、そういったエロゲの中古価格が暴落したとなると、なおさらそのような印象が増強されてしまうと考えられます。

自己満足。実際やってる人はあまり見ない。個人の力で物事は動かないし、思い入れに頼らない戦い方でありたいものです。

これが事実。そして、「ショップ特典の為にエロゲを複数買いして、エロゲ本体をほとんど中古ショップに売り払ったとしても、さして影響はないので好きにしたらいいと思うよ」というのが結論。