エロゲ価格もデフレが進んでいる!?

上記記事を読んで「エロゲ価格全体ではどうなっているんだろう?」と思って調べてみた結果です。正確には「エロゲ価格の二極分化が始まった!?」なのかもしれませんが、高価格化へのシフトがこのまま続くのかどうかは、もう少し様子をみないと判断が出来ないのでタイトルはこうしておきました。もちろんこの調査だけで「エロゲ価格にもデフレが発生している」と断定する事は出来ませんが、そういった傾向があるかもしれないと推測する事は出来ると思います。

今回調査データとして使用したのはudkの雑記さんと同じく「DependSpaceさんの発売情報リスト」です。ここの情報をExcelに取り込んで「ツール > データ分析 > ヒストグラム」で解析し、エロゲ価格全体の雰囲気を直感的につかんでみました。注意点としては、

  1. エロゲ価格は全て「税込み」
  2. 2009年は9月分まで
  3. 相対度数(その年のエロゲ発売本数全体を1とした割合)で算出
  4. 「同梱版(BOX版)」「豪華特典版」「リメイク版」「リニューアル版」等は除外していない
  5. DependSpaceさんのデータは2004年3月分までは「税抜き」なので2004年3月分までの価格には消費税分5%を足した
  6. DependSpaceさんのデータには「一般PCゲーム(非エロゲ)」が含まれていたので出来るだけ除外した

といったところでしょうか。本来ならudkの雑記さんと同じく同梱版等を除外してデータを合わせたかったのですが、「10年間分のエロゲ約6,500本を分別なんか出来るかっ!」という事で断念しています。とりあえず私はヘタレましたが、根性とガッツがある方は是非やってみて下さい。また別の結果が出るかもしれませんし。という訳で前フリが長くなってしまいましたがその統計をどうぞ。

エロゲ価格度数分布表(2000〜2009年)

以上 未満 階級値 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年
- 3000 - 0.0% 1.1% 0.7% 1.4% 4.9% 6.6% 9.8% 7.3% 10.0% 9.9%
3000 4000 3500 0.9% 0.8% 3.5% 2.5% 4.6% 7.3% 10.7% 16.7% 17.9% 19.9%
4000 5000 4500 4.2% 7.5% 4.2% 4.8% 3.2% 4.8% 7.6% 7.3% 8.2% 7.3%
5000 6000 5500 1.9% 2.3% 2.5% 4.5% 4.3% 4.1% 4.7% 2.8% 1.9% 1.6%
6000 7000 6500 2.2% 5.3% 4.6% 6.4% 6.2% 5.8% 6.1% 5.5% 4.3% 4.5%
7000 8000 7500 4.1% 5.2% 5.3% 6.3% 8.8% 6.5% 5.9% 5.5% 4.3% 3.7%
8000 9000 8500 17.4% 9.7% 7.7% 5.6% 5.7% 4.1% 2.4% 2.9% 3.3% 3.0%
9000 10000 9500 64.8% 65.4% 67.4% 66.0% 59.3% 57.7% 49.8% 48.1% 46.7% 45.2%
10000 11000 10500 4.2% 2.6% 3.2% 2.3% 1.9% 1.7% 2.1% 1.9% 1.4% 3.7%
11000 12000 11500 0.1% 0.0% 0.1% 0.0% 0.4% 1.2% 0.4% 0.8% 0.5% 0.6%
12000 - - 0.1% 0.2% 0.6% 0.3% 0.6% 0.3% 0.6% 1.1% 1.6% 0.6%

エロゲ価格ヒストグラム(2000〜2009年)


低価格帯エロゲと高価格帯エロゲと標準価格帯エロゲの推移

上のヒストグラムでもエロゲ価格の推移が分かると思いますが、より分かりやすくする為に以下の項目のグラフを作成してみました。

  • 標準価格帯(9,240円近辺)のエロゲ
  • 低価格帯(4,000円未満)のエロゲ
  • 高価格帯(10,000円以上)のエロゲ


考察

  1. 高価格帯のエロゲは増えているが、それ以上に低価格帯のエロゲが急増している
  2. 標準価格帯のエロゲは年々減少しており、現在は全体の半分以下になっている

度数分布表とヒストグラムから分かる事はこのぐらいでしょうか。そして「低価格帯のエロゲが増えている」と言われてもあまりピンと来ない人も多いかと思います。私もそうでした。そこで最近の低価格帯エロゲのタイトルを調べてみると、それらのほとんどが「凌辱系」であることが分かりました。つまり、あまり表に出てこない凌辱系エロゲが「安い価格でたくさんのタイトルが販売されていた」から、エロゲ全体では低価格帯の割合が増えたという事のようです。