で、同人って儲かるの?

タイトルだけで喧々囂々侃々諤々なバトルが開始されてしまう今日の記事(笑)。7月16日に発売が開始されたコミックマーケットカタログ80に「コミックマーケット35周年記念調査」の中間報告が掲載されていました。詳細については最終報告という形でまとめられるそうなので、ここではざっくりと「サークルの頒布部数」と「サークルの年間収支」の結果について「コミックマーケット30周年記念調査」と比較してみました。

コミックマーケット 80 カタログ

コミックマーケット 80 カタログ

コミックマーケット30’sファイル―1975‐2005

コミックマーケット30’sファイル―1975‐2005

サークルの頒布部数の変化

また、各区分の増減値を表にするとこうなります。

頒布部数 2004年 2010年 増減値
0〜49部 36.2% 31.7% -4.5
50〜99部 21.0% 19.6% -1.4
100〜149部 12.5% 12.9% 0.4
150〜299部 12.7% 14.3% 1.6
300〜499部 7.0% 8.6% 1.6
500〜999部 5.7% 7.4% 1.7
1000〜1499部 2.2% 2.6% 0.5
1500部以上 2.9% 2.9% 0.0

「0〜99部」という層が減少し、「100〜1499部」という層へ全体が移行しているようにも見えます。しかしながらそれでも約半分のサークルは頒布部数が100部未満という状況のようです。

サークルの年間収支の変化

こちらも各区分の増減値を表にするとこうなりました。

年間収支 2003年 2009年 増減値
赤字 (5万円以上) 14.6% 15.5% 0.9
赤字 (5万円未満) 55.2% 51.0% -4.2
黒字 (5万円未満) 16.3% 16.6% 0.3
黒字 (5〜20万円) 7.5% 9.7% 2.3
黒字 (20万円以上) 6.5% 7.3% 0.8

「赤字 (5万円未満)」が最も減少し、「黒字 (5〜20万円)」が最も増加しています。結果、2009年は2003年に比べて赤字サークルは3.4ポイント減少し、その分黒字のサークルが増加しています。ただ、それでも全体の6割以上のサークルが赤字であり、大幅に黒字になっているサークルは全体の7%程度であることから、全体的に「同人は儲かるものではない」という結論が出てきそうです。しかし、「黒字 (20万円以上)」と回答したサークルは2,350ありましたので、この数字だけ見てしまえば「たくさんのサークルが黒字である」ように思えてしまうのは仕方がないことなのかもしれません(笑)。