エロゲのエッチシーンからシナリオライターが同定できるか調べてみた(後編)
スズノネセブン!
この作品では4人のヒロインに使われていました。
考察
鷹取柚子里ルートに志麻莉里のおなにゅーシーンが含まれているので、この2人のエッチシーンを合わせたものが1ルート分になります。従って、登場頻度が突出している鷹取柚子里シナリオを担当したのでないかと推定できそうです。ただ、三峰美奈都については数が少ないので除外していいと思うのですが、代官山すみれについてはちょっと判断に迷っています。登場回数がやや多いこと、セリフに含まれていることなどを鑑みると違うとは言い切れなさそうなので。
スズノネセブン! Sweet Lovers' Concerto
この作品でも4人のヒロインに使われていました。
考察
登場頻度及び本編での考察をふまえると鷹取柚子里と志麻莉里が候補に上がります。そしてこの作品は8人のヒロインを8人のシナリオライターで書いていますので、1人1ヒロインを担当したと考えると、使用回数が最も多い志麻莉里を担当したのではないかと思われます。
あまつみそらに!
この作品では2人のヒロインに使われていました。
考察
使用されているヒロインが2人しかいないうえ、片方の使用頻度が突き抜けているので、かなりの確度で担当したのは一ツ橋神奈だと思われます。で、クロシェット作品では突き抜けた回数で「犯す」を使用しているヒロインがいるのに対して、使用回数は少ないのですがエッチシーンで「犯す」が用いられるヒロインが何人か登場します。ここでse・きららにおける秋山望美のエッチシーンについて思い出してみると、姫ノ木あく氏ほどではないにせよ、秋史恭氏もこの言葉を使う傾向があるのではないかと私は推測しています。
葉月深景
ちょっと閑話休題。前編で保留になっていたJ・さいろー氏の特徴についてここで説明したいと思います。氏がエッチシーンにおいてよく使うのは「おち●ぽ」です。
「待て、それもエッチシーンで頻繁に使われる単語だろ!」というツッコミが入ると思いますが、後述するカミカゼ☆エクスプローラーでこの単語が使われていたのは宇佐美沙織だけでした。また、DRACU-RIOT!では矢来美羽ルートに男性器を「おち●ちん」「おち●ぽ」「ち●ぽ」のどれで呼ばせるかを選択させるシステムが搭載されているのでこれを除外すると、シナリオ検索で「おち●ぽ」が抽出されるのは布良梓ルートだけです。従って、他のシナリオライターがこの単語を使わないという条件下において、この判別が可能になります。ただ、まぁ、J・さいろー氏の場合、エッチシーンそのものが斜め上に突き抜けているので、単語の登場頻度で判別する必要はないと思われます(笑)。が、判断に迷った時はちょっと思い出してみて下さい。んっ?「『あまつみそらに!』にJ・さいろー氏は参加していないだろ!」ですか?いえいえ、ちゃんと参加されていますよ。
スペシャルサンクスで(笑)。
カミカゼ☆エクスプローラー!
今回の考察はこれで終了。この作品でも4人のヒロインに使われていました。
カミカゼ☆エクスプローラー!をテキストマイニングを使って調べてみた
- 作者: 石田基広
- 出版社/メーカー: 森北出版
- 発売日: 2008/12/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本の「主成分分析による作家の判別」を応用して調べてみたところ、次のようなグラフが得られました。
これは各ルートの頻出語を元に、どのシナリオがどのシナリオと似ているのかを図示したものです。従って、エッチシーンだけではなく、各ルートのテキスト情報をすべて使って分類を行った結果になります。このグラフによると、共通ルート、速瀬まなみルート、祐天寺美汐ルート、姫川風花ルートが1つのグループを形成しており、沖原琴羽ルートと宇佐美沙織ルートが別の群になっているのがわかると思います。そしてこれはどういうことなのか?
まずはエッチシーンの分析でも、テキストマイニングでも別個に分類されてしまった宇佐美沙織ルートは、J・さいろー氏が担当したと考えていいでしょう。そして沖原琴羽ルートの場合、テキスト全体では別個に分類されているのに、エッチシーンは姫ノ木あく氏が担当していると思われることから、「冬雀氏は沖原琴羽ルートの担当だが、エッチシーンを書いていないのではないか?」と推測できそうです。
結局のところ、テキスト全体を分析しないと詳細なシナリオライターの同定はできないということになるのですが、シナリオライターが特定の言葉を多用している場合において、この手法はある程度有効な判別手段になるのではないかと思っています。