エロゲの「お兄ちゃんの匂いで欲情してしまう妹」について科学的に考えてみた

エロゲ界隈では「妹が洗濯前のお兄ちゃんの服をこっそり手に入れて、その匂いでオナニーしてしまう」というシチュエーションがよく出てきます。

【参考画像】 「あまつみそらに!」より「部屋に一人でこもってお兄ちゃんのシャツの匂いを嗅いでいる観崎美唯さん。職業、妹」

このようなシーンについて、ちょうど面白いTV番組がありましたので、それを元にちょっと考察してみました。もっとも、「そんな状況は『エロゲ的ファンタジー』であって、現実にはありえねェよw」で終わってしまう話であり、かつ、ファンタジーに対して科学でツッコミを入れるという「野暮」な内容なんですけどね(笑)。

【参考リンク】 セックスアピールの科学

女性は男性の体臭を「いい匂い」と感じる

男性の体臭の元となっているのは、アポクリン腺から分泌される「アンドロステノン」という物質。どんな匂いなのかというと、分泌されてすぐは「ムスク」のような香りで、時間が経つと「尿」のような匂いに変わるのだそうです。「本当にいい匂いなのか?これ?」と思う訳ですが、実のところほとんどの女性はこの匂いを嫌がります。排卵期にあたる女性を除いては。そう、女性は排卵期になると、汗に含まれるアンドロステノンの刺激臭を嫌わなくなり、むしろそれを「いい匂い」だと感じるようになるのです。

つまり、妹がお兄ちゃんの匂いを嗅ぎたくなる時というのは「子どもを作る準備が出来た」というサイン。なので、こんな状況をたまたま目撃したお兄ちゃんが、ちょっと理性を失って、押し倒して、中出しをしようものなら、かなりの高確率で孕んでしまうという大変危険なシチュエーションな訳です(笑)。

女性は男性の体臭を嗅ぎ分けている

妹がお兄ちゃんの匂いを求めている時にやってしまうと、デンジャラスな結果になるという事は分かりました。が、女性の性的関心と男性の体臭との関係には、さらに複雑な仕組みが隠されているようです。

まず、体臭とはアポクリン腺から出るアンドロステノンだけで構成されているのではなく、汗腺から出る汗が、皮膚に住むバクテリアによって分解された時に生じる物質も含まれています。さらに、体臭は主要組織適合遺伝子複合体(通称:MHC)と呼ばれる遺伝子の領域と深い関わりを持っているとされています。MHCとは、免疫系がどのような病気と戦えるかを決めるもので、およそ100の遺伝子を含み、その組み合わせは人様々。同じ組み合わせを持つものは二人といないとの事。そして、免疫系と体臭との直接的な相関関係は今のところよく分かっていないらしいですが、両者に関係がある事は科学的に証明されているみたいです(免疫系が人の皮膚に寄生するバクテリアの種類を決め、そのバクテリアが体臭を構成する物質を放出し、匂いを決めているからではないか?という推測がされている)。

さて、MHCと呼ばれる遺伝子領域と体臭の関係について説明してきましたが、ここからが本題。女性に様々な男性の体臭を嗅がせる実験をしたところ、その男性のMHCが彼女自身のMHCと大きく異なった場合、その男性の体臭を好むという結果がでました。つまり女性は自分とは異なる体臭を好むようなのです。また、このMHCは両親から受け継ぐので、兄弟姉妹は似たような遺伝子の組み合わせになり、また同時に似たような体臭になります。そして女性に父親や兄弟の体臭を嗅がせる実験をすると、驚くほど強い拒否反応を示したとの事です。

この近親者に対して感じる嫌悪感は、性的な嫌悪で、家族の匂いは性的に受け入れないらしい。また、女性が自分とよく似た匂いを嫌うのは、近親相姦を避ける為だとされています。MHCの遺伝子は、できるだけ異なった組み合わせを両親から受け継いだ方が優れた免疫系を持てるので、似通った遺伝子を所有している近親者との交配は、逆に子孫の免疫系を弱体化させる原因となる。従って、自分と周囲の人々の縁戚関係が不明瞭だった太古の時代、女性は体臭によって男性のそれを見分けていたのではないか?と結んでいます。

で、結論

どうやら科学的には「お兄ちゃん臭い、近づかないで」が正しい妹の反応であり、「お兄ちゃんの匂い……はぅ〜」となる事はありえなさそうです。よって、「お兄ちゃんの匂いで欲情してしまう妹」とは、

  • 血が繋がっていない
  • 男性の匂いを嗅ぎ分ける機能に異常がある

のどちらかである。という事になります。つまり、妹がお兄ちゃんの匂いでオナニーするというシーンは、この妹には「出生の秘密がある」もしくは「身体機能に欠損がある」という事を表している訳です。科学的な意味で(笑)。